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第5回 桜の手紙コンテスト結果発表【一般部門】

「第5回 桜の手紙コンテスト【一般部門】」の受賞作品を当ページにて発表いたします。

※発表時の個人情報は応募当時のものであり、氏名は敬称略となります
※個人情報については応募時の注意事項を了承したものとみなして掲載します
※受賞のコメントは随時掲載いたします。コメントは抜粋する場合があります。

最 優 秀 賞

中学の卒業式。桜の木の下で真っ赤な顔をして、第二ボタンが欲しいと言ってくれた君。その勇気に今も感謝しています。お互いに六十歳になったけど、これからも宜しく。

茨城県・小林 義明(62)

優 秀 賞

「桜が満開だね、お父さん」「そうだね」私の言い間違いに笑って返事をした彼と結婚して、息子が生まれた。また桜の咲く頃に「おじいさん」と言い間違いをしようかな。

愛知県・渡辺 開代子(51)

さくら市氏家観光協会長賞

あの頃、一番とがっていた中学生が、十年経って「教師になる。」と告げに来た。花満ちあふれんばかりの校庭の夜桜が、出藍の誉を願うバトンパスを静かに見届けていた。

滋賀県・作田 まさ代(60)

さくら市 氏家郵便局長賞

中学校で、様々な障がいのある君たちの担任となった。何かと受け身の君達が、文化祭で休憩所を作ったんだ。折り紙の桜と音楽を準備し、人を迎える笑顔は忘れないよ。

神奈川県・青木 英二(68)

桜の下で孫と頬寄せあって笑顔で写るお父さん。お父さんが一杯一杯かわいがってくれた孫は教師になり頑張っています。教室にやさしく吹く風になって見に行ってみてね。

静岡県・小野寺 陽子(56)

結婚して毎年桜の季節に墓参りし、お寺の門での家族写真が恒例に。長女次女三女と増え、そして皆嫁ぎ、また二人に戻る。家族の歴史を見守ってくれた桜と妻に有難う。

大阪府・後藤 豊(65)

入選

私が先に死んだらいつもの風力発電のプロペラがそびえる所でお花見して呑んでるから、なるべく遅く来てよ。白髪の頭についた花びら取ってあげたら君きっと泣くよ絶対。  千葉県・小久保 文月(44)

昔、父は自作の暗室でピンセットを動かし液の中でだんだん桜が咲いてくるのを見せてくれた。いつも桜が咲く頃、あの匂いがよみがえりなつかしさで胸が一杯になる。 福島県・仁井田 京子(76)

私、教員になりました。三人の子育てが一段落して、人生で初めて自分の夢に舵を切ることができました。これでもう誰かのせいにできません。今年の桜は私の入学式です。   埼玉県・本間 麻希(57)

場所取りと称し、前夜から桜の下で飲み明かした友よ。胸に秘めていた夢をついつい語り合ったな。なんか桜って、夢を聴くのが上手だよな。さぁ現実、互いに頑張ろうぜ。   千葉県・森 惇(41)

公園で八十九歳の父は二歳のひ孫の手をひいて低い階段を歩いた。ひ孫の足元だけを見て満開の桜も見ずに一歩一歩。でも、あのとき、桜は二人を見ていたんだよ、きっと。  愛知県・岩瀬 京子(69)

お前を産んだ時、桜が満開じゃったと母が言っていた。毎年満開の桜を見ると、母に会えたように感謝して、脳裏には母の若い頃の面影が、うっすら桜色して浮かんでくる。   三重県・櫻井 俊甫(89)

山櫻を間近で見られる様にと、幼い私を肩車してくれましたね。愛されていたこと、ちゃんと知っていますよ。絶縁状態のまま逝かせてしまって、どうかお許し下さい。 埼玉県・山田 千晴(62)

言葉が遅いと我が子を案じていた友、咲き始めた桜を観ながら「早咲きの桜は人目を惹くけど、見事に咲く遅咲きの桜もあるさ」と励ましたよね、遅咲きの桜だったね。    佐賀県・横尾 希維子(69)

桜が咲くと出不精の夫が私をドライブに誘う。裏山の桜並木をただゆっくりゆっくり走る。「満開だな」「きれいね」。毎年同じ場所、同じ会話。そして毎年幸せだと思う。  鹿児島県・福永 房世(61)

入学式の帰り道、むすっとしたままの娘。思春期だから仕方がないと諦めた瞬間、風が吹いた。桜のシャワーに見惚れる娘。久しぶりに笑顔を見ることができた。桜に感謝。  兵庫県・大恵 やすよ(41)

花作

ガン闘病中にふと「この部屋はねあの桜が独り占めできるのよ。楽しみね」窓の外の一本の桜を指さした母の笑顔を思い出す。一緒に満開の桜が見られて良かった。  大阪府・生越 寛子(44)

十六年間、君は我が家の春だった。毎年桜の下で撮った写真、君の笑顔が満開だ。去年の夏、君は旅立った。でも、今年も桜は咲く。君の想い出と共に、私も咲き続けるよ。  東京都・並木 和彦(51)

庭の桜の木の下で、母の手の海苔巻きをともだちと頬張った。小学二年生の春のこと。毎年、桜の咲くころに想い出す。ああ、もうみんな八一才。懐かしく遠い日。   鳥取県・山本 泰子(81)

桜が咲くとお父さんが病院から一時帰宅した日のことを思い出します。あの時の嬉しそうな顔が忘れられないよ。次の春、お父さんを追って医師になる私を見守っていてね。   鹿児島県・沼田 文来(24)

母がまさかの認知症になった。数分前の記憶は消えていく。自己欲求の少ない彼女だが、唯一桜が見たいと言った。来年は一瞬でもいいから桜の記憶を咲かせようね。   愛知県・大野 千鶴(62)

公園のベンチに座って空を見上げる。少し散った桜がまるで月を見せてくすごいね。母さんは。葬儀の日に満開にしてくれるなんて。ひらひら舞い散る沢山の桜。母さんはどの花びらなの? でも確かに天から聞こえた。貴方も精一杯咲きなさいと。  大阪府・本田 美徳(61)

「お誕生日おめでとう」入院中の母から深夜の電話。仕事で帰りの遅い娘の為に病を押して。来年はもう言えないから。病院の窓から見た満開の桜。散り際を覚悟した桜。  東京都・永井 清子(57)

毎年恒例の親父が眠る墓地での花見。今年もやれたね。母さん九十四歳の春、「来年も行けるかねぇ…」聞こえなかったふりして、おぶってでも連れていくよ。  鹿児島県・北薗 敬(70)

今年も又桜散ると繰返した大学受験。大卒肩書き有ればと何万回嘆いたか。桜咲く友人横目に見てジェラシーだけが満開の桜に募る。いっそ散ってしまえ! 葉桜に僕は成る。  兵庫県・長谷川 雅也(62)

父は家の窓から見える桜の絵をクレパスであっという間に描いたことがあった。無口な父は、何の特技も趣味もないと思っていた。あの日、素晴らしい父の絵を見て感動。   兵庫県・龍田 さち子(76)

じいじが旅立った日の桜吹雪のような深い深い霧、覚えてる? あと数時間で私が上京する朝、すんでのところで危篤の報が届いたね。最後に呼んでくれて、ありがとう。   東京都・水鳥 舞美(30)

桜をもう見に行かなくていいと母は言う。歩くのもゆっくりになった母。でも遠慮しないで。また昔のように手を繋いでお花見しよう。ママと見るから、桜は桜なんだよ。   京都府・安江 麻衣子(47)

桜ソングに2年前に旅立った母を想う。亡くなる前日、突然目を開き私たちをじっと見つめ何かを訴えかけている。「幸せだった人」と声をかけると、しっかりと右手を挙げた。   栃木県・手塚 典子(63)

桜餅にお花見団子。桜の大福もおいしい。完全に花より団子で、フラれた私に、そっと桜のゼリーを差し出してくれた君。キラキラの笑顔がゼリーみたいに眩しかった。   福井県・大南 光代(48)

お腹にいる君と見た桜が美しかったから、名前に「桜」を入れました。手を繋ぎ歩きながら、ランドセルを背負いながら、いつか私が手を引かれながら、また見に行こうね。 愛知県・大川 有沙(31)

誰も住んでいない実家を更地にします。あなたとお花見した庭のサクラを二人の想い出として、最後に見届けてよね。私のふるさとの拠り所です。アァ、一年生のサクラ!   神奈川県・浦上 由子(85)

私は桜咲く4月13日生まれ、2週間後、父は自撮りの「私を抱いた写真」を1枚残し、戦地に赴き戦死。仏壇で毎朝、両親に「生んでくれてありがとう」と祈っています。  東京都・原 忠男(80)

彼岸桜の咲く通りであった。年を重ねることは台本にない風が吹くようなものですね。助手席で昔のあなたなら起きていたはずなのに少女のような顔で眠っていましたよ。   福岡県・三宅 隆吉(84)

来年も桜の花が見られるかな、が口ぐせだったあなた。満開の花びらが音もなく降る春の日、桜のように潔く逝ったね。吸い込まれそうな花の向こうは、もう天国でしたか。  滋賀県・高田 智子(38)

三月十一日、なんてことない一日になるはずだった。春の日に喪った人を思う曲で、あの日を思い出すなんて、あの時は思ってもいなかったんだ。  茨城県・上野 里実(33)

一年の算数で、松葉で桜の花びらを刺して、10の束が一つで10、10の束が五つで50、10の束が十で100。楽しく勉強したことを桜の季節になると思い出す。  茨城県・長沼 航(22)

桜に浮かれ電車に貴重品を置き忘れた時、駅に届け連絡だけくれましたね。申し出たお礼も「今度居酒屋で一杯(笑)」とさらりと辞退して。ありがとう。伊達直人さん。  東京都・早川 俊章(56)

茶飲み仲間の婆三人、セピア色の恋談義で菓子は桜餅です。皮が初恋で塩漬の葉が失恋の味だねと食べ、良いねえ姥桜が恋人で、と私に言う百年時代の甘口は輝いています。  秋田県・今野 芳彦(75)

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