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石造地蔵菩薩坐像

Sekizojizo Bosatsuzazo

京都・鎌倉に次ぐ一大地方歌壇「宇都宮歌壇」

蔦地蔵や定家地蔵とも呼ばれる本彫刻は、高さ1.36メートルの安山岩に地蔵菩薩座像と蓮弁台座まで丸彫りにした中世期の石仏です。
右手に錫杖、左手に摩尼宝珠を持つ延命地蔵の形で、法衣・袈裟も的確に刻まれ、台座にめぐらされた蓮弁は力強いです。細面・切れ眼は冥想的で、品格を保ちながらも、耳や鼻は大きめに強調されています。また、この石仏が正面だけでなく、周囲を巡りながら拝するために、丸彫りは丹念に仕上げられ、重量感あふれる中世石仏となっています。
鎌倉期に宇都宮氏を中心に形成された宇都宮歌壇は京都・鎌倉に次ぐ一大地方歌壇で、歌聖藤原定家と親交を結び、宇都宮頼綱の女は定家の長子為家に嫁いでいます。頼綱は法然上人に帰依し蓮生法師と称しました。宇都宮氏の支族氏家公頼も浄土信仰をもち、定家の七周忌に定家の面影を写した石仏を造立したと伝えられ、以来定家地蔵といわれるようになったといいます。また、蔦のからまる場所を好んだという伝説と藤原定家と式子内親王の悲恋、定家葛伝説も混ざって蔦地蔵と言われるようにもなったといいます。
この像は昭和五十一年三月三日に県指定文化遺産になりました。

基本情報
住所

栃木県さくら市氏家

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